培ってきたコーティング技術

3つのポイント
・「鑑賞と保存に資する」サービス
・美術に関わる2つのコーティング
・「目にみえない」施工への意識がけ

表具の本質は「鑑賞と保存に資する」サービス
その本質の守備範囲において、清華堂ではコーティング技術を培ってきました。
美術品保存の技術として大きく2種類のノウハウがあります。
①美術品の酸化抑制を目的とするコーティング
微粒子化した酸化マグネシウムを作品へ吹付け、アルカリバッファーを紙作品に残留させるコーティングで、「ブックキーパー脱酸法」と呼ばれる中和・保存処理技術です。
②美観を保つための目的とするコーティング
超微粒子のフッ素樹脂を美術工芸品に吹付け、モノの表面にあるピンホールを洗い、その穴に定着させることによって、
汚れから守るコーティングです。

大事にしてきたことは、「目に見えない」微粒子のコーティングを吹付ける意識。
衛生対策のコーティングでは、1㎡あたり20ccの最適な塗布量・スピードを厳守のもと、品質管理を行っていますが、その表面にムラなく定着されているかどうか、といった加工意識を常に心掛けております。
この意識がけは一朝一夕では、養われないものではないでしょうか。弊社は、抗菌・抗ウイルス加工への取り組みを短期的なコロナ対策とは考えておりません。対象物を纏う要因を熟慮し、持続的な衛生環境を想像してこのコーティングと向き合っております。1923年創業の清華堂、携わる職人はこの意識がけを職能として共有しています。